
こんにちは!二足社です。
家を考えるにあたって必ず悩む建材、フローリングです。
ひとくちにフローリングと言っても、いろんなメーカーさんや
材木屋さん達の努力によって今やかなりの種類があります。
今回はお客さまに“よく”聞かれるフローリングのあれこれ。
現場監督の目線からメリット・デメリットも併せてお伝えします!
無垢

無垢フローリングとは、板一枚が全て指定の樹種のみで
構成されたフローリングのことを指します。
- いい所
一枚一枚の表情が違い、同じものがない ところが一番ではないでしょうか。同じ木が2つと存在しないように、無垢フローリングもまた同じものがありません。
また、個人的にとても良いと思うとこは傷がついたとき、何とかなるところです。何とかなる、とはなんとざっくりした言い方してすみません。笑
生活をしている限り、必ず何らかの理由で床に傷がつきます。(椅子を引いたとき、子供がおもちゃを投げた時、工具を落とした時、理由は様々)その時に、何とか治せる方法があるのが無垢フローリングのいい所です。
たとえば、杉などの軟らかい木であれば凹みや割れに対して濡らしたタオルを当てて補修ができますし、大きな傷については紙やすり等で削ることも可能です。また日焼けや傷も味わいとなり、経年変化が楽しめるのも大きな特徴です。
- 悪いところ
冒頭にご説明した通り、一枚板の木なので必ずと言っていいほど反りますし、隙間があきます。これは木の性質なので仕方がないことなのですが、一般的に木は調湿効果があると言われるように空気中の水分を取り込み、発散します。そしてその吸って、吐いての際に木は膨らんで、縮みます。(その際に材に割れやひびが入ることもざらにあります。)つまりは施工時にぴったりくっついていた箇所を押したり引いたりするのでその動きによって隙間が出来てしまうことがあります。あくまで性質なので仕方ないといえば仕方がない所です。
しかしいろんな業者さんと関わって実際に施工をしてきましたが、皆さん本当にいろんな工夫をされています。使う木材の乾かし方にこだわったり、選り分けを厳しくしたりとできる限り 長く、きれいに 使い続けられるよう木の変化を和らげようと商品の開発をしてくださっています。
最後にシンプルに値段が高いです。樹種によりますが、フローリングの中では最も高級な部類でしょう。
ちなみに写真は国産松の無垢フローリングでした。
松は国外では“パイン”としてよく知られている材木です。
杉よりも色味が淡く美しいです。節が多いとすこし荒い材の雰囲気が出してみたりと万能です。
突き板(または挽き板)

突き板(または挽き板)とは無垢フローリングの風合いを保ちながらコスト面も抑えたフローリングです。無垢との違いは、板一枚が全て指定の樹種で構成されているわけではありません。MDFや合板を重ねたものに薄くスライスした無垢板を貼り付けたフローリングです。(上の写真の断面です)
また見出しに記載した突き板、挽き板という言葉を使用しましたがフローリングとしての作り方は前述の通りです。違いについては以下の引用を参照ください。
挽き板(ひきいた、挽板)とは、鋸などで挽いて切った木の板のこと。1センチ厚以上(10mm〜20mm)のものが中心で、突板(つきいた、0.2mm〜0.6mm)よりも厚めの木材。集成材や積層材などにも使われる。
wikipedia
お値段的には挽き板の方が上です。
- いい所
無垢の風合いを持ちながら、木の変化が少ないです。裏にあてた下地の板が表面の無垢板を引っ張ってくれる上に、 そもそもの無垢板の厚みが薄いので反りや曲がりの変化がとても小さいために変化が出にくいと言えます。※絶対に出ない!ではないので注意
そして無垢板よりも、値段が安いです。このコストとメンテナンス性、以上の2点が非常に優れています。
- 悪いところ
全てのメーカー、すべての商品を施工したわけではありませんので絶対とは言えませんが同じ模様のフローリングが重複することが多々あります。これは突き板フローリングの製造方法によるものかと思います。
突き板フローリングは原木から薄い無垢板をたくさんスライスしてフローリングを作るため、大量の同じ柄が出来ます。それらの製品を数枚1梱包として大量にストックします。ゆえに、家一軒で半坪タイプを大体15~20梱包納入したとしても中々、運よくこのストックをまたぐことは少ないと思うので模様が重複することは仕方ないのかなと思います。
プリントシート

MDF等の下地材に木目の柄等をプリントした面材を貼り付けたフローリングです。
本物の木ではないのですが多様な木の木目や色味を楽しむことができます。
- いい所
とにかく安い!です。無垢の半分以下の価格になることが多いです。
また、無垢だとべらぼうに高くなるウォルナットやブラックチェリーなど手の届きづらい樹種のプリントシートが豊富にあります。中には石目模様やヘリンボーン柄なんてものを揃えているメーカーさんもありました。
- 悪いところ
おおむね、メンテナンス不可です。無垢とは違い、傷が出来れば補修材で埋めるしかありません。
また、湿気や水にとても弱いです。熱にも弱いです。とにかくシートが変形してしまうものはすべてアウトです。
おまけ)UNI(ユニ)、乱尺とは
無垢フローリングを選ぶ際、見出しに記載したUNIタイプ、乱尺、OPC、無垢板 など聞きなれない言葉が添えられている場合があります。
しかし、商品を選ぶ際にこの添え書きをきちんと認識しておかなければ家の内観を大きく変えてしまうことがあります。ぜひ覚えておいてください!

見出しに書いた言葉は、主に無垢板の構成方法を指す言葉ですが以下の種類があります。
- 一枚物 (またはOPC)
- UNI(ユニ)
- 乱尺
※上の写真と順番は同じ
それぞれ、
- 一枚物(またはOPC)→ そのまま継いだりしていない一枚の板です。
- UNI(ユニ)→ 一枚板なのですが、特殊な接合方法で板を継ぎ足しています。
- 乱尺 → 長さが一定ではなく、例えば2尺、3尺、4尺など一定の長さでカットされています。
床は定尺張りや千鳥張り、スダレ張りや朝鮮張り、乱尺張り…などなど。本当に様々な方法で施工されていますので、イメージと商品がマッチするものか、併せて考えるとより理想のものが出来ます!
さいごに、どうしても無垢が好きで無垢の項目が大多数を占めてしまいました。すみません。笑
作る側にとってもとても面白い素材であるので、ぜひ一度は検討してほしい建材です。
この記事がこれから家づくりやリフォームを考える方にとって良いヒントになれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!